特養ってどんなところだろうと思った事ありませんか?
特養とは「特別養護老人ホーム」の略称でよく使われます。
特養は要介護3以上の認定を受けた高齢者が入れる老人ホームです。
特養に入るにはどうしたらいいのだろう、入所している人はどんな生活をしているのだろう、どんな風に職員は働いているのだろう。
そんな疑問を解説していきたいと思います。
1日の流れ
朝の時間
- 起床と朝食: 入居者は通常、朝7時から8時の間に起床します。朝食は栄養バランスを考えたメニューが提供され、介助が必要な方にはスタッフがサポートします。
- 体操やリハビリ: 食事後には、身体を動かすための体操やリハビリが行われることが多いです。これにより、身体機能の維持や向上を図ります。
午前中
- 自由時間: 午前中は自由時間となり、入居者は自分のペースで過ごします。読書をしたり、友人とおしゃべりを楽しんだりすることができます。
- レクリエーション: 施設によっては、手芸やゲームなどのレクリエーション活動が行われ、入居者同士の交流を促進します。
昼食
午後
- 午後の活動: 昼食後は、再び自由時間やレクリエーションが続きます。特養では季節ごとのイベント(夏祭り、クリスマス会など)も企画され、入居者が楽しむ機会が設けられています。
- おやつの時間: 15時にはおやつが提供され、入居者同士でおしゃべりを楽しむ時間となります。
夕方から夜
- 夕食: 夕食は18時頃に提供され、食後はリラックスした時間を過ごします。
- 就寝準備: 20時から22時の間に就寝準備が始まり、入居者はそれぞれのペースで就寝します。
介護サービス
特養では、入居者の日常生活を支えるためにさまざまな介護サービスが提供されています。
- 食事介助: 食事が自分でできない入居者には、スタッフが食べさせるサポートを行います。
- 排泄介助: トイレの誘導やオムツ交換など、排泄に関する介助も行われ、利用者のプライバシーを尊重しながら実施されます。
- 入浴介助:5~6人程度入れるような浴室や浴槽があり、浴室ではスタッフが2人体制で見守りや介助を行います。シャワーチェアを使用し椅子のまま入れたり、寝たりきりな人がストレッチャーに乗って入れる特殊浴槽がある等様々な人に対応出来るように完備されています。
- 健康管理: 定期的に血圧や体温を測定し、健康状態をチェックします。必要に応じて医師と連携し、早期発見につなげます。
特養での日常生活は特養によって時間の流れは様々ですが、入居者が安心して過ごせるように設計されており、スタッフとのコミュニケーションやレクリエーションを通じて、充実した日々を送ることができます。
訪問サービス
特養(特別養護老人ホーム)には、入居者の健康管理や生活の質の向上のために、様々な訪問サービスが提供されています。歯科や眼科以外にも、以下のような訪問サービスがあります。
- 訪問診療(内科)
- 定期的に医師が訪問し、入居者の健康状態を診察します。
- 慢性疾患の管理や急性疾患の対応を行います。
- 訪問看護
- 看護師が定期的に訪問し、医療的ケアや健康管理を行います。
- 褥瘡の処置や服薬管理などを実施します。
- 訪問リハビリテーション
- 理学療法士や作業療法士が訪問し、身体機能の維持・向上を目指します。
- 日常生活動作の改善や転倒予防のための訓練を行います。
- 訪問マッサージ
- あん摩マッサージ指圧師が訪問し、筋肉の緊張緩和や血行促進を図ります。
- 訪問美容サービス
- 美容師が訪問し、カットやパーマなどの施術を行います。
- 訪問栄養指導
- 管理栄養士が訪問し、個々の入居者に適した栄養指導を行います。
- 訪問薬剤管理指導
- 薬剤師が訪問し、服薬指導や薬の管理を行います。
- 訪問口腔ケア
- 歯科衛生士が訪問し、口腔内の清掃や口腔機能の維持・向上を図ります。
これらのサービスは、入居者の個別のニーズや健康状態に応じて提供されます。
特養では、これらの訪問サービスを活用することで、入居者の健康維持と生活の質の向上を図っています。
働くスタッフの一日の流れ
特養によって働くスタッフの一日の流れは違いますが、ここでは大まかな流れを紹介していきます。
朝の業務
- 出勤と申し送り (7:00頃)
- 夜勤者から入居者の状況を聞き、特記事項を確認します。
- モーニングケア (7:30頃)
- 起床介助、排泄介助、洗面介助を行います。
- 身だしなみを整え、着替えの介助をします。
- 朝食介助 (8:00頃)
- 食事の配膳と介助を行います。
- 服薬介助や口腔ケアも実施します。
午前の業務
- 入浴介助 (9:00頃)
- 入浴の準備と介助を行います。
- 皮膚の状態確認も行います。
- レクリエーションや機能訓練 (10:30頃)
- 体操やアクティビティを実施します。
- 昼食準備 (11:30頃)
- 食事の準備と配膳を行います。
午後の業務
- 昼食介助 (12:00頃)
- 食事の介助と見守りを行います。
- 服薬介助や口腔ケアも実施します。
- 休憩 (13:00頃)
- 午後のケア (14:00頃)
- 排泄介助、水分補給、体位変換などを行います。
- おやつの時間 (15:00頃)
- おやつの配布と介助を行います。
- レクリエーション (15:30頃)
- 軽い運動や趣味活動を支援します。
夕方から夜の業務
- 夕食準備と介助 (17:30頃)
- 夕食の準備、配膳、介助を行います。
- ナイトケア (19:00頃)
- 就寝準備、排泄介助、口腔ケアを行います。
- 記録と申し送り (20:00頃)
- 一日の様子を記録し、夜勤者への引き継ぎを行います。
- 退勤 (20:30頃)
この流れの中で、スタッフは常に入居者の健康状態を観察し、必要に応じて看護師や医師と連携します。また、家族への連絡や報告、施設の清掃や整理整頓なども並行して行います。
特養のスタッフは、入居者一人ひとりの生活リズムや個別のニーズに合わせてケアを提供し、安全で快適な生活を支援することに重点を置いて働いています。
特養のメリットとデメリット
メリット
- 費用が比較的安い
- 入居一時金が不要で、月々の利用料も10万円程度と比較的安価です。
- 施設サービス利用料の半額相当が医療費控除の対象となり、税金面でも優遇されます。
- 長期入所が可能
- 原則として終身で入所できるため、長期的な介護が必要な方に適しています。
- 24時間体制の介護
- 介護スタッフが常駐しているため、安心して生活できます。
- 個別ケアの充実(ユニット型の場合)
- 10人程度の小規模グループで生活するため、きめ細かな個別ケアが受けられます。
デメリット
- 入所条件が厳しい
- 原則として要介護3以上の方が対象となり、要介護2以下の方は入所が難しいです。
- 待機期間が長い可能性
- 人気の施設では待機者が多く、入所までに時間がかかる場合があります。
- 医療体制が不十分な場合がある
- 夜間に看護師が常駐していない施設もあり、医療ケアが必要な方には不向きな場合があります。
- プライバシーの制限(多床室の場合)
- 複数人で部屋を共有するため、個人のプライバシーが制限される可能性があります。
- 費用が他の居室タイプより高い(ユニット型の場合)
- 個室タイプのため、多床室と比べて費用が高くなります。
特養は公的な介護施設として安定した運営がされており、費用面でも優れていますが、入所条件や待機期間、医療体制などには注意が必要です。個々の状況に応じて、メリットとデメリットを慎重に検討することが大切です。
特養への早期入所を目指すための戦略と裏技
特別養護老人ホーム(特養)は、介護が必要な高齢者が安心して暮らせる施設です。しかし、入所希望者が多いため、早期に入所するためには戦略が必要です。
入所までの流れを理解する
特養への入所は、まず市区町村の窓口で申請を行います。申請後、介護度や家庭の状況などを基に優先順位が決まります。待機期間が長くなることもあるため、早めの準備が大切です。
早期入所のためのポイント
- 介護度を確認する: 介護度が高いほど優先度が上がります。介護認定を受ける際は、正確な情報を提供しましょう。
- 複数の施設に申し込む: 一つの施設だけでなく、複数の特養に申し込むことで入所のチャンスを増やします。
- 地域の情報を収集する: 地域によって特養の待機状況は異なります。市区町村の福祉課や地域包括支援センターで最新情報を入手しましょう。
特養で働く為には
特養(特別養護老人ホーム)で働くためには、以下のステップを踏むことをお勧めします。
- 必要な資格の取得
- 実務経験の積み重ね
- 追加の資格取得
- 求人情報のチェック
- 介護専門の求人サイトや、地域の福祉人材センターなどで情報を収集します。
- 施設見学や説明会への参加
- 実際の職場環境や雰囲気を知ることができます。
- 応募と面接
- 履歴書や職務経歴書を丁寧に作成し、面接に臨みます。
- 継続的な学習と成長
- 入職後も、研修や勉強会に積極的に参加し、スキルアップを図ります。
特養で働くには体力も必要ですが、利用者との長期的な関わりを持てるというメリットもあります。介護に対する熱意と、人と接することが好きな方に向いている仕事と言えるでしょう。
特養で働くメリットと介護スキルの向上方法
特養で働くことには多くのメリットがあります。ここではそのメリットと、介護スキルを向上させる方法について紹介します。
特養で働くメリット
- 安定した職場環境: 特養は公的な施設が多く、安定した雇用が期待できます。
- 幅広い経験が積める: 様々な介護度の利用者と接することで、幅広い介護スキルが身につきます。
- チームでの仕事: 看護師やリハビリスタッフと連携して働くため、チームワークを学ぶことができます。
介護スキルの向上方法
- 研修やセミナーに参加する: 定期的に開催される研修やセミナーに参加して、新しい知識を取り入れましょう。
- 先輩から学ぶ: 経験豊富な先輩職員から直接学ぶことで、実践的なスキルが身につきます。
- 資格取得を目指す: 介護福祉士などの資格を取得することで、専門性を高めることができます。
介護施設長としての役割と求められる能力
介護施設長は、施設の運営全般を管理する重要な役割を担っています。ここでは、施設長として求められる能力について解説します。
施設長の役割
- 施設の運営管理: 予算の管理やスタッフの配置、施設の維持管理など、運営全般を統括します。
- 利用者と家族への対応: 利用者やその家族とのコミュニケーションを大切にし、信頼関係を築きます。
- 地域との連携: 地域の医療機関や行政と連携し、地域に根ざした施設運営を行います。
求められる能力
- リーダーシップ: スタッフをまとめ、チームを導くリーダーシップが必要です。
- コミュニケーション能力: 利用者、家族、スタッフとの円滑なコミュニケーションが求められます。
- 問題解決能力: 施設内外で発生する様々な問題に対して、迅速かつ的確な対応が求められます。
良い老人ホームを見極めるためのポイント
老人ホームを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。ここでは、良い老人ホームを見極めるためのポイントを紹介します。
見極めるためのポイント
- 施設の雰囲気: 実際に見学をして、施設の清潔さやスタッフの対応、利用者の様子を確認しましょう。
- ケアの内容: 提供されるケアの内容や、リハビリ、レクリエーションの充実度をチェックします。
- スタッフの質: スタッフの資格や経験、対応の仕方を確認し、信頼できるかどうかを判断します。
- 料金体系: 料金が明確で、納得できるかどうかを確認しましょう。追加料金が発生する場合もあるため、事前に確認が必要です。
特養の利用料
月額の基本利用料は、要介護度や居室タイプによって異なりますが、おおよそ7万円から10万円程度です。これには食費、居住費、日常生活費が含まれます。
具体的な内訳としては:
- 介護サービス費:要介護度に応じて1〜3万円程度
- 食費:3〜4万円程度
- 居住費:1〜4万円程度(多床室か個室かで異なる)
- 日常生活費:1万円程度
これらに加えて、各種加算が適用される場合があります。例えば、ターミナルケア加算、口腔衛生管理加算、褥瘡マネジメント加算などがあり、それぞれ数十円から数百円程度が日額で加算されます。
ただし、所得に応じて負担限度額認定や高額介護サービス費などの軽減制度が適用される場合があるため、実際の自己負担額はこれより低くなることがあります。
具体的な料金は施設ごとに異なるため、入所を検討する際は直接施設に確認することが重要です。
特養の費用の軽減
特別養護老人ホーム(特養)の費用を軽減する制度には、以下のものがあります
- 負担限度額認定: 年金や資産が一定以下の人に対して、居住費や食費の自己負担上限額を設定し、介護保険から支給する制度です。
- 特定入所者介護サービス費: 所得に応じて4段階に分け、負担限度額を設ける制度です。第1段階から第3段階の人が対象です.
- 医療費控除: 特養で提供される介護サービスの一部が医療費控除の対象となり、税金の還付を受けられます。
特養の法律と運営形態の違いを理解しよう
特養は、法律に基づいて運営される施設です。ここでは、特養の法律と運営形態の違いについて簡単に説明します。
特養の法律
特養は、介護保険法に基づいて運営されています。介護保険法は、高齢者が必要な介護サービスを受けられるようにするための法律です。
運営形態の違い
- 公立特養: 市区町村や都道府県が運営する施設で、安定した運営が期待できます。
- 民間特養: 社会福祉法人や医療法人が運営する施設で、独自のサービスを提供していることが多いです。
まとめ
ここでは特別養護老人ホームの特徴について解説しました。
特養によって様々ではありますので、入所したいところや働きたいところへ一度見学に行ってみて合うのか確認してみてはどうでしょうか。
施設によって雰囲気も違うのでいくつか気になるところを見つけて行ってみてください。
もちろん入所や働いてみて合わないなと思うところもあると思いますので、後悔の無い選択をしてくださいね。
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