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4種類の特徴を知って対策しよう【認知症の種類について解説】

介護

認知症って1つだけだと思っている人いませんか?認知症の症状はタイプによって出てくる症状も違ってきます。

認知症は、私たちの身近に迫る脳の病気です。家族や友人が認知症を患うかもしれないという不安を抱える方も多いことでしょう。

しかし、認知症には多くの種類があり、それぞれに異なる症状や進行の仕方があります。

このブログでは、認知症の4つの主要なタイプをわかりやすく解説し、早期発見や適切なサポート方法についてお伝えします。

あなたが大切な人を守るために、知識を深めてみませんか?認知症を理解することで、より良いサポートができるようになります。

1.認知症の中核症状

認知症の中核症状は、脳の器質的変化によって直接引き起こされる症状のことを指します。これらの症状は認知症の基本的な特徴があり、専門用語を交えて解説していきます。

  1. 記憶障害:
    最も顕著な症状で、特に近時記憶(最近の出来事を覚える能力)が障害されます。これは海馬の機能低下によるものです
  2. 見当識障害:
    時間、場所、人物に関する認識が困難になります。例えば、今日の日付や自分がいる場所がわからなくなります
  3. 失語:
    言語の理解や表現に障害が生じます。単語が出てこなかったり、会話の内容を理解できなくなったりします
  4. 失行:
    道具の使い方や動作の順序を忘れてしまい、日常的な動作ができなくなります。例えば、箸の使い方がわからなくなります
  5. 失認:
    目で見たものや触ったものを正しく認識できなくなります。例えば、家族の顔がわからなくなることもあります
  6. 実行機能障害:
    計画を立てたり、順序立てて物事を進めたりすることが困難になります。これは前頭葉の機能低下によるものです

これらの中核症状は、認知症の進行に伴って徐々に悪化していきます。中核症状は直接的に脳の変性や損傷によって引き起こされるため、完全に治療することは難しいですが、適切な支援や環境調整によって症状の進行を遅らせることが可能です

やまと
やまと

中核症状が現れた時は認知症かなと疑ってみましょう。最初はわからず年齢的な物忘れかなと思ったりせず早いうちに医師に相談へいきましょう。

2. 4種類の特徴を知ろう:それぞれの特徴と対策法

認知症は、脳の機能が低下することで日常生活に支障をきたす病気です。代表的な4つのタイプについて、それぞれの特徴と対策法を簡単にご紹介します。

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、脳の神経細胞が徐々に破壊され、脳が萎縮することで発症する進行性の認知症です。専門用語を交えながらその初期症状、特徴、対策法を解説します。

原因

  1. アミロイドβの蓄積: アルツハイマー型認知症の最も有力な原因は、脳内にアミロイドβというたんぱく質が異常に蓄積することです。このたんぱく質が脳の神経細胞の間に「老人斑」と呼ばれる斑点を形成し、神経細胞の働きを妨げます
  2. タウたんぱくの異常: タウたんぱくという別のたんぱく質も、神経細胞内で異常に蓄積し、「神経原線維変化」を引き起こします。これにより、神経細胞が正常に機能しなくなります.
  3. 遺伝的要因: アルツハイマー型認知症の大部分は遺伝とは関係ありませんが、若年性アルツハイマー病の一部は遺伝性であり、「家族性アルツハイマー病」と呼ばれます
  4. 生活習慣: 糖尿病や高血圧、肥満、喫煙、過度な飲酒などの生活習慣病が、アルツハイマー型認知症のリスクを高めることが示されています

初期症状

アルツハイマー型認知症の初期症状は、主に記憶障害から始まります。これは短期記憶を司る海馬の萎縮によるもので、新しい情報を記憶する力が低下します

患者は過去の出来事を覚えている一方で、最近の出来事を忘れることが多く、自分が忘れていることを自覚できないこともあります

特徴

アルツハイマー型認知症は、アミロイドβやタウといった異常なタンパク質が脳に蓄積し、神経細胞を破壊することで発症します

進行すると見当識障害(日時や場所がわからなくなる)、判断力や理解力の低下、行動・心理症状(BPSD)が現れることがあります

対策法

アルツハイマー型認知症の予防には、生活習慣の改善が重要です。特に、糖尿病や高血圧といった生活習慣病の管理が推奨されます

また、早期診断と適切な治療が進行を遅らせるために重要です。薬物療法や認知リハビリテーションが効果的とされています。定期的な運動や社会活動への参加も、認知機能の維持に役立ちます。

血管性認知症

血管性認知症は、脳の血管障害によって引き起こされる認知症の一種です。脳梗塞や脳出血などが原因で、脳の特定の部位が損傷を受けることで発症します。初期症状、特徴、対策法を専門用語を交えながら解説します。

原因

  1. 脳卒中: 血管性認知症の主な原因は脳卒中です。脳卒中には、脳梗塞(血管が詰まる)や脳出血(血管が破れる)が含まれ、これらが脳の特定の部位に影響を与え、認知機能を低下させます.
  2. 生活習慣病: 高血圧や糖尿病、肥満、動脈硬化などの生活習慣病が、脳卒中のリスクを高め、結果として血管性認知症を引き起こす可能性があります。これらの病気は、血管に負担をかけ、脳への血流を妨げることがあります。
  3. 不整脈: 心房細動などの不整脈は、血液の流れを乱し、血栓が形成されるリスクを高めます。これが脳に到達すると、脳梗塞を引き起こす可能性があります.
  4. 喫煙と高脂血症: 喫煙や高コレステロール血症も、血管を傷つけ、血流を悪化させる要因となります

初期症状

血管性認知症の初期症状には、記憶障害や判断力の低下が見られます。これらは、脳の血管が詰まることで酸素や栄養が不足し、神経細胞が死滅することによって引き起こされます。

症状は「まだら症状」と呼ばれ、日によって変動することが特徴です。また、感情のコントロールが難しくなり、感情失禁(突然泣いたり怒ったりする)が見られることもあります

特徴

血管性認知症は、脳の血管が詰まったり破れたりすることで急激に発症します。脳のどの部位が影響を受けるかによって、症状の現れ方が異なります。

例えば、前頭葉が損傷を受けると、計画性や判断力が低下することがあります。また、アルツハイマー型認知症と同時に発症することがあり、これを「混合型認知症」と呼びます

対策法

血管性認知症の予防には、生活習慣の改善が重要です。高血圧や糖尿病、脂質異常症などのリスク因子を管理することで、発症や進行を抑えることができます。

具体的には、適切な食事、定期的な運動、禁煙、ストレス管理が推奨されます。また、血管性認知症の診断には、MRIやCTスキャンを用いた脳の画像診断が行われます

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、脳内に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積することで発症する認知症です。

このたんぱく質は、パーキンソン病の原因ともなり、レビー小体型認知症とパーキンソン病を合わせて「レビー小体病」と呼ばれることもあります

原因

  1. レビー小体の蓄積: レビー小体は、神経細胞内に溜まる異常なたんぱく質で、これが神経細胞を損傷します。このたんぱく質はパーキンソン病の原因としても知られています
  2. 遺伝的要因と年齢: レビー小体型認知症は65歳以上の高齢者に多く、特に男性に多い傾向があります
  3. 環境要因: 頭部への外傷や慢性的なストレス、うつ病などが発症に関与している可能性があります

初期症状

レビー小体型認知症の初期症状には、うつ症状やレム睡眠行動異常症(RBD)、嗅覚異常、便秘などがあります。

これらの症状は、周囲から「元気がない」「理解力が落ちた」と見られることがあります。また、幻視や幻聴といった現実にないものが見えることも初期から現れることがあります

特徴

レビー小体型認知症の特徴として、認知機能の変動、パーキンソン症状(手足の震えや筋肉のこわばり)、幻視、レム睡眠行動異常症が挙げられます

認知機能は、数分から数時間、あるいは数週間にわたって変動し、良い時と悪い時が交互に現れるのが特徴です

対策法

レビー小体型認知症の対策には、早期診断と適切な治療が重要です。診断には、SPECT検査などの脳の血流を調べる検査が用いられます

治療には、パーキンソン症状を緩和する薬物療法や、幻視に対する心理的サポートが含まれます。また、生活習慣の改善やストレス管理も重要です

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症(FTD)は、前頭葉と側頭葉が萎縮することで発症する認知症の一種です。この病気は、行動や人格の変化が顕著で、記憶障害が比較的少ないのが特徴です。

初期症状、特徴、対策法を具体的に解説します。

原因

  1. 脳の萎縮: 前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉と側頭葉が萎縮することが直接の原因です。前頭葉は理性や社会性を、側頭葉は言語や感情を司るため、これらの部位の萎縮が行動や人格の変化を引き起こします
  2. タウたんぱくの異常: タウたんぱくという物質が異常に蓄積し、神経細胞にダメージを与えることが原因と考えられています。これにより、神経細胞が正常に機能しなくなり、脳の萎縮が進行します.
  3. 遺伝的要因: 欧米では遺伝性のケースが多く報告されていますが、日本では遺伝が原因で発症することは少ないとされています

初期症状

前頭側頭型認知症の初期症状には、人格や行動の変化が見られます。具体的には、感情の抑制が効かなくなり、反社会的な行動をとることがあります。また、同じ行動を繰り返す「常同行動」や、礼儀を欠いた行動が目立つこともあります。

これらの症状は、前頭葉が感情や行動の制御を司るため、萎縮によってコントロールが失われることが原因です

特徴

前頭側頭型認知症は、ピック病などのサブタイプを含むことがあります。この病気では、脳内に「ピック球」と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積し、神経細胞が失われます。

これにより、言語能力の低下(失語)や、抽象的思考の困難が生じます。また、家族内で遺伝することが多く、遺伝的要因が関与している場合があります

対策法

前頭側頭型認知症の対策には、早期診断と適切なケアが重要です。診断には、CTやMRI、PET検査などの脳画像診断が用いられます。治療法としては、症状に応じた薬物療法や、行動療法が考えられます。

特に、家族や介護者による理解とサポートが重要で、患者の生活の質を向上させるために、専門家の指導を受けることが推奨されます

やまと
やまと

それぞれの認知症の症状も違うので特徴と対策を理解しましょう。

その中で自分達に出来る事を探しましょう、介護保険を利用して自分の負担を減らす事をおすすめします。

3. 認知症の4種類を理解して適切なケアを始めよう

認知症の種類を理解することで、適切なケア方法を選ぶことができます。早期発見と適切な対応が、患者さんの生活の質を向上させる鍵です。

家族や介護者は、専門医の指導を受けながら、患者さんに合ったサポートを心がけましょう。

アルツハイマー型認知症へのケア方法

  1. 記憶障害へのアプローチ:
    アルツハイマー型認知症の主な特徴である記憶障害、特に近時記憶の障害に対しては、以下のようなケアが効果的です。
  • リマインダー療法: カレンダーやメモ、アラームなどを活用し、重要な予定や服薬時間を視覚的に示す。
  • 現実見当識訓練: 日付や場所、季節などを定期的に確認し、見当識障害の進行を遅らせる。
  1. 環境調整:
    認知機能の低下に伴う混乱を軽減するため、環境を整えることが重要です。
  • バリアフリー化: 転倒リスクを減らすため、段差の解消や手すりの設置を行う。
  • 視覚的手がかりの活用: 部屋や物の位置を示す札や絵を使用し、空間認知を助ける。
  1. コミュニケーション支援:
    失語症状に対応するため、以下のような方法を用います。
  • バリデーション療法: 患者の感情に寄り添い、共感的な態度で接する。
  • 非言語的コミュニケーション: ジェスチャーや表情、タッチングなどを活用する。
  1. 行動・心理症状(BPSD)への対応:
    不安やうつ状態、暴言・暴力といったBPSDに対しては、以下のアプローチが有効です。
  • 回想法: 過去の楽しい思い出を語り合い、自尊心を高める。
  • 音楽療法: 馴染みの音楽を聴くことで、情緒の安定を図る。
  1. 日常生活動作(ADL)の支援:
    失行や実行機能障害に対しては、以下のような支援が効果的です。
  • 手順書の活用: 日常的な動作の手順を視覚的に示し、自立を促す。
  • 残存機能の活用: できることは自分で行ってもらい、機能維持を図る。
  1. 認知リハビリテーション:
    認知機能の維持・改善を目指し、以下のようなアプローチを行います。
  • 計算ドリル: 簡単な計算問題を解くことで、注意力や実行機能の維持を図る。
  • パズルや脳トレゲーム: 視空間認知や問題解決能力の維持に役立つ。

血管性認知症へのケア方法

  1. 再発予防と生活習慣の改善:
    血管性認知症は脳血管障害の再発により症状が悪化するため、再発予防が最重要です。
  • 生活習慣病の管理: 高血圧、糖尿病、脂質異常症などのコントロールを徹底します。
  • 適度な運動: 軽い有酸素運動を定期的に行い、脳血流を改善します。
  • 禁煙・節酒: 喫煙や過度の飲酒を避け、血管への負担を軽減します。
  1. 認知機能障害へのアプローチ:
    血管性認知症特有の「まだら認知」に対応したケアを行います。
  • 残存機能の活用: 障害されていない認知機能を活かした活動を促します。
  • 注意力トレーニング: 集中力を要する課題を提供し、注意機能の維持を図ります。
  • 実行機能の支援: 日常生活の計画立案や問題解決を支援し、実行機能の低下を補います。
  1. 身体機能へのサポート:
    運動障害や麻痺に対するケアを行います。
  • リハビリテーション: 理学療法や作業療法を通じて、身体機能の維持・改善を図ります。
  • バリアフリー化: 転倒リスクを減らすため、生活環境を整備します。
  • 補助具の活用: 必要に応じて歩行器や車椅子を導入し、安全な移動を支援します。
  1. 心理・行動症状(BPSD)への対応:
    うつ症状や意欲低下などの症状に対処します。
  • 抑うつケア: 認知行動療法や軽い運動を取り入れ、気分の改善を図ります。
  • 社会参加の促進: デイサービスなどを利用し、社会との繋がりを維持します。
  • 回想法: 過去の楽しい思い出を語り合い、自尊心を高めます。
  1. コミュニケーション支援:
    失語症や構音障害に対応したコミュニケーション方法を工夫します。
  • 非言語的コミュニケーション: ジェスチャーや表情、筆談などを活用します。
  • ゆっくり明瞭な話し方: 相手のペースに合わせ、ゆっくりと明確に話します。
  1. 薬物療法のサポート:
    医師の指示に基づく適切な服薬管理を支援します。
  • 抗血小板薬や抗凝固薬: 脳梗塞の再発予防のための薬の管理を徹底します。
  • 服薬カレンダーの活用: 薬の飲み忘れを防ぐため、視覚的な補助具を使用します。

レビー小体型認知症へのケア方法

  1. 認知機能の変動への対応:
    レビー小体型認知症の特徴である認知機能の変動に対しては、以下のようなケアが効果的です。
  • 柔軟なスケジュール管理: 患者の状態に合わせて日々の活動を調整します。
  • 環境調整: 混乱を軽減するため、静かで落ち着いた環境を整えます。
  1. 幻視症状への対応:
    幻視は本人にとって現実のものであるため、否定せずに適切に対応することが重要です。
  • 受容的態度: 幻視の内容を否定せず、患者の不安や恐怖を受け止めます。
  • 環境整備: 照明を適切に調整し、影や反射を減らすことで幻視を軽減します。
  1. パーキンソン症状への対応:
    手足の震えや筋肉の硬直などのパーキンソン症状に対しては、以下のようなケアが有効です。
  • 理学療法: ストレッチや軽い運動を取り入れ、筋肉の柔軟性を維持します。
  • 転倒予防: バリアフリー化や手すりの設置など、安全な環境を整備します。
  1. レム睡眠行動異常症への対応:
    夢の内容を体で表現してしまう症状に対しては、安全確保が重要です。
  • 睡眠環境の整備: ベッドの周りにクッションを置くなど、怪我を防ぐ工夫をします。
  • 規則正しい睡眠リズムの維持: 日中の活動を促し、夜間の良質な睡眠を確保します。
  1. 自律神経症状への対応:
    起立性低血圧や便秘などの自律神経症状に対しては、以下のようなケアが効果的です。
  • 水分・栄養管理: こまめな水分補給と適切な食事内容の調整を行います。
  • 緩やかな体位変換: 急激な姿勢の変化を避け、めまいや転倒を予防します。
  1. 薬物療法のサポート:
    レビー小体型認知症では薬の副作用に敏感なため、慎重な服薬管理が必要です。
  • 服薬管理: 医師の指示に基づき、適切な用量と時間を守って服薬を支援します。
  • 副作用の観察: 過敏性や悪化の兆候がないか、常に注意深く観察します。

前頭側頭型認知症へのケア方法

  1. 行動・人格変化への対応:
    前頭側頭型認知症の主な特徴である行動障害や人格変化に対しては、以下のようなケアが効果的です。
  • 環境調整: 刺激を最小限に抑え、混乱を軽減する静かな環境を整えます。
  • 行動療法: 不適切な行動を軽減し、適切な行動を強化するアプローチを行います。
  • ルーチンの確立: 日課を一定に保ち、予測可能な環境を作ります。
  1. 言語障害へのアプローチ:
    失語症状に対しては、以下のような方法を用います。
  • 非言語的コミュニケーション: ジェスチャーや表情、絵カードなどを活用します。
  • 簡潔な言葉遣い: 短く、明確な文章で話しかけます。
  • 言語療法: 専門家による言語機能の維持・改善を目指したリハビリテーションを行います。
  1. 常同行動への対応:
    同じ行動を繰り返す常同行動に対しては、以下のようなアプローチが有効です。
  • 気分転換: 別の活動に誘導し、注意を逸らします。
  • 安全確保: 繰り返し行動が危険でない限り、無理に止めようとせず見守ります。
  1. 社会性の低下への対策:
    社会的に不適切な行動に対しては、以下のような対応が重要です。
  • 説明と理解: 周囲の人々に病気の特徴を説明し、理解を求めます。
  • 社会的スキルトレーニング: 適切な社会的行動を練習する機会を設けます。
  1. 食行動の変化への対応:
    過食や偏食などの症状に対しては、以下のようなケアが効果的です。
  • 食事環境の調整: 刺激を減らし、落ち着いて食事ができる環境を整えます。
  • 栄養管理: 偏食による栄養不足を防ぐため、バランスの取れた食事を提供します。
  1. 介護者へのサポート:
    前頭側頭型認知症の患者のケアは特に負担が大きいため、介護者へのサポートも重要です。
  • レスパイトケア: 介護者が休息を取れるよう、一時的に介護を代替するサービスを利用します。
  • 心理的サポート: 介護者のストレスや不安に対するカウンセリングを行います。
やまと
やまと

それぞれの認知症への対応は決して難しいものではありませんがすべてを理解するのも難しいので、こういう対応もあるのだと知っておくだけでも良いのではないでしょうか。

4.認知症の診断と治療法:4つのタイプに基づくアプローチ

4種類の認知症(アルツハイマー型、血管性、レビー小体型、前頭側頭型)の診断方法と治療法について、専門用語を交えながら解説します。

アルツハイマー型認知症

診断方法:

  • 問診: 本人や家族から症状の経過を聴取
  • 神経心理検査: MMSE(Mini-Mental State Examination)やHDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)を用いて認知機能を評価
  • 脳画像検査: MRIで海馬の萎縮を確認、SPECTで側頭・頭頂葉の血流低下を評価
  • バイオマーカー: 脳脊髄液中のアミロイドβやタウタンパクの測定

治療法:

  • 薬物療法: コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル、ガランタミンなど)やNMDA受容体拮抗薬(メマンチン)を使用
  • 非薬物療法: 認知リハビリテーション、回想法、音楽療法など

血管性認知症

診断方法:

  • 問診: 脳卒中の既往や血管リスク因子を確認
  • 神経学的診察: 麻痺や歩行障害の評価
  • 脳画像検査: MRIやCTで多発性脳梗塞や白質病変を確認
  • 血管性認知症の診断基準: NINDS-AIREN基準などを使用

治療法:

  • 薬物療法: 抗血小板薬や抗凝固薬による再発予防、高血圧や糖尿病の管理
  • 非薬物療法: 理学療法、作業療法、生活習慣の改善指導

レビー小体型認知症

診断方法:

  • 問診: パーキンソン症状や幻視の有無を確認
  • 神経学的診察: パーキンソン症状の評価
  • 脳画像検査: SPECTで後頭葉の血流低下を確認
  • REM睡眠行動障害の評価: 睡眠ポリグラフ検査
  • DLB(Dementia with Lewy Bodies)の臨床診断基準を使用

治療法:

  • 薬物療法: コリンエステラーゼ阻害薬、レボドパ製剤(パーキンソン症状に対して)
  • 非薬物療法: 環境調整、転倒予防、幻視への対応指導

前頭側頭型認知症

診断方法:

  • 問診: 性格変化や社会的行動の変化を確認
  • 神経心理検査: 前頭葉機能検査(FAB: Frontal Assessment Battery)など
  • 脳画像検査: MRIで前頭葉・側頭葉の萎縮を確認、SPECTで同部位の血流低下を評価
  • 遺伝子検査: 家族性の場合、MAPT、GRN、C9orf72などの遺伝子変異を検査

治療法:

  • 薬物療法: 行動・心理症状に対して選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などを使用
  • 非薬物療法: 行動療法、環境調整、介護者教育

これらの診断方法と治療法は、各認知症の特徴に応じて選択され、組み合わせて実施されます。早期診断と適切な治療介入が、症状の進行を遅らせ、生活の質を維持するために重要です。

やまと
やまと

ここでは専門的な内容となっています。診断方法や治療にはこういうのがあるんだなと知っておくと良いでしょう。

5.認知症の4大タイプを見極める!症状と進行の違い

アルツハイマー型認知症

症状:

  • 記憶障害: 特に近時記憶(最近の出来事を覚える能力)が低下します。
  • 見当識障害: 時間や場所の認識が困難になります。
  • 実行機能障害: 計画を立てたり、順序立てて物事を進めることが難しくなります。

進行:
アルツハイマー型認知症は緩やかに進行します。GDS(Global Deterioration Scale)やFAST(Functional Assessment Staging)などの尺度で進行度を評価します

  • 初期: 物忘れが目立ち始め、日常生活に支障が出始めます。
  • 中期: 記憶障害が顕著になり、ADL(日常生活動作)の低下が見られます。
  • 末期: 言語機能が著しく低下し、寝たきり状態になることもあります。

血管性認知症

症状:

  • まだら認知: 認知機能の低下が不均一に現れます。
  • 実行機能障害: 計画立案や問題解決能力が低下します。
  • 歩行障害: 小刻み歩行や麻痺が見られることがあります。

進行:

血管性認知症は「階段状」に進行します

  • 脳血管障害(脳梗塞や脳出血)が起こるたびに、症状が急激に悪化します。
  • 症状が安定する期間と悪化する期間を繰り返します。
  • 再発予防が重要で、適切な管理により進行を遅らせることができます。

レビー小体型認知症

症状:

  • 認知機能の変動: 日や時間によって症状の程度が大きく変化します。
  • 幻視: 具体的で鮮明な幻覚(特に視覚)が現れます。
  • パーキンソン症状: 筋固縮や歩行障害などが見られます。
  • レム睡眠行動障害: 睡眠中に激しい体動や発声が見られます。

進行:
レビー小体型認知症の進行は比較的急速です。

  • 初期: 注意力の変動や幻視が現れます。
  • 中期: パーキンソン症状が顕著になり、認知機能の低下が進みます。
  • 末期: 寝たきり状態になることが多く、平均余命は発症から5-8年程度です。

前頭側頭型認知症

症状:

  • 行動変化: 脱抑制、常同行動、食行動の変化などが見られます。
  • 言語障害: 失語症(特に意味性認知症では語義理解の障害)が現れます。
  • 実行機能障害: 計画立案や問題解決能力が低下します。

進行:
前頭側頭型認知症は比較的若年(40-60代)で発症することが多く、進行は緩やかです。

  • 初期: 性格変化や社会的行動の変化が現れます。
  • 中期: 言語障害や実行機能障害が顕著になります。
  • 末期: 無動無言状態になることもあります。
やまと
やまと

それぞれの認知症の特徴を理解すると認知症の症状の違いがわかります。どんな症状が出ているのか把握する事で対応方法もわかってくるでしょう。

6.認知症の4種類を知って、家族のサポートに役立てよう

アルツハイマー型認知症

  • 認知リハビリテーション: 残存機能を活用し、日常生活動作(ADL)の維持を図ります。
  • 回想法: 過去の楽しい思い出を語り合い、自尊心を高めます。
  • 環境調整: 見当識障害に対応するため、カレンダーや時計を見やすい場所に設置します。
  • 薬物療法: コリンエステラーゼ阻害薬やNMDA受容体拮抗薬を適切に使用します。

2. 血管性認知症

  • 再発予防: 高血圧や糖尿病などの生活習慣病の管理を徹底します。
  • 理学療法: 麻痺や歩行障害に対して、適切な運動療法を行います。
  • 作業療法: 日常生活動作の維持・改善を目指します。
  • バリアフリー化: 転倒リスクを減らすため、生活環境を整備します。

3. レビー小体型認知症

  • 環境調整: 幻視に対応するため、照明を適切に調整し、影や反射を減らします。
  • 薬物療法: 抗パーキンソン病薬を慎重に使用し、副作用に注意します。
  • 転倒予防: パーキンソン症状に対応するため、手すりの設置など安全対策を講じます。
  • 睡眠衛生管理: レム睡眠行動障害に対して、安全な睡眠環境を整えます。

4. 前頭側頭型認知症

  • 行動療法: 不適切な行動を軽減し、適切な行動を強化するアプローチを行います。
  • 環境調整: 刺激を最小限に抑え、混乱を軽減する静かな環境を整えます。
  • コミュニケーション支援: 失語症状に対応するため、非言語的コミュニケーション手段を活用します。
  • 介護者教育: 症状の特徴や対応方法について、家族や介護者に適切な情報提供と指導を行います。

共通のサポート方法:

  • パーソン・センタード・ケア: 認知症の人の個別性を尊重し、その人らしさを大切にしたケアを提供します。
  • 多職種連携: 医師、看護師、介護士、理学療法士、作業療法士など、多職種でチームを組んで包括的なケアを行います。
  • レスパイトケア: 介護者の負担軽減のため、一時的に介護を代替するサービスを利用します。
やまと
やまと

共通のサポート方法を中心にそれぞれの症状に合わせて家族のサポートを行っていきましょう。

まとめ

今回は4種類の認知症の特徴、症状、対応策などについて解説しました。

認知症は急に現れることもあれば徐々に現れてくることもあるので戸惑う事でしょう。でも、その時にこの症状はこの認知症だと知識があればその時に適切な対応や対策が出来ます。

いつ現れるかわからない、いつ症状が重くなるかわからない認知症に対して今から出来ることをやりましょう。今やっても早いという事はありません。認知症はいつやってくるかわかりませんから。

決して無理をせず自分の負担を減らし介護保険を利用して、ケアマネさんや地域包括支援センターなどの人達と連携し上手に介護を行っていきましょう。

自分が元気じゃないと介護は出来ませんから。

以上参考になれば嬉しいです。

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